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2022/06/24

ZEHで失敗しないための考え方

住宅展示場に行くと、「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス=ゼッチ)」の文字があちこちに大きく踊っていますね。大手ハウスメーカーではZEHを積極的に押し出しています。

年間のエネルギー消費量が正味でおおむねゼロ以下になる住宅・ZEHは、国も補助金を出して推進している高性能な省エネ住宅。ZEHならとりあえず間違いない、どこに頼んでも大差ない、とあなたは考えているかもしれません。ところがそこに大きな落とし穴があります。

実はZEH基準を満たす家であってもポイントを間違えると、エコでも快適でもない家ができあがってしまうのです。今回は、メーカーが言いたがらないその理由と、どうすれば失敗を防げるのかについて、くわしくお伝えしていきましょう。

 

目次

・エコじゃないZEHとはどんなもの?

・エコじゃないZEHで起こること

・大切なのは省エネ機器ではなく「家の断熱と気密」

・本当にエコで快適なZEHを建てよう

 

エコじゃないZEHとはどんなもの?

ZEHを達成するためには、3つの要素が必要です。

1つは住宅の断熱性能UA値0.6以下にする事、2つめは省エネルギータイプの給湯設備やエアコン、LED照明等の設備。そして3つめが、エネルギーを創りだす太陽光発電です。

1の断熱性能で、2で消費するエネルギーを外部に漏らさないようにして、3で消費したエネルギーを作り出す。この2つの差し引きがゼロ以下になれば、ZEHの基準を満たします。しかし、ここでいう1の断熱性能の数値はあくまでも気密性能(C値)が0の場合であり、気密性能が悪くなると計算値である断熱性能のUA値は本来の断熱性能が発揮できません。

ということは、断熱性能UA値0.6をクリアしていれば、気密性能を無視しても2や3で補ってしまえば、数字の上ではZEHが成り立つということです。

もう少しかみ砕いていうと、断熱性能UA値0.6以下をクリアしていれば、隙間風が入るような家であっても、エネルギー効率の高い給湯設備やエアコンなどの機器を投入し、容量の大きな太陽光発電を搭載してしまえば、大手を振ってZEHを名乗れてしまうというわけなのです。

しかしこのようにしてつくられたZEHは、家の中に温度ムラができて快適に過ごせないばかりでなく、省エネ機器も消耗すれば廃棄し、新しく交換しなければなりません。ハイスペックな省エネ機器をフル稼働させ、消耗したら入れ替える・・・そんな暮らしがエコといえるかどうかは、考えるまでもないでしょう。

 

エコじゃないZEHで起こること

上記のような強引なやり方で取り繕ったZEHに住んだ場合、起こりうるマイナス点を以下に挙げてみましょう。

・家自体の断熱性能をクリアしていても隙間だらけの家では、家のなかに温度ムラができ、生活にストレスがかかる。

・暑さ、寒さをしのぐため、エアコンを強にして過ごす毎日。

・10〜15年ほどで機器が消耗すると、買い替えやメンテナンスに費用がかさむ。

たとえば冬ならば、いくらエアコンを強にして部屋の温度を上げても、気密性能が低いと寒気が侵入してきます。すると暖かい空気は上に行き、冷たい空気は下にたまるため、頭は暑いのに足元はいつまでも寒いという不快な状況に。

夏なら、熱くなった天井から発する遠赤外線が、住む人の頭を熱します。エアコンで冷たい空気を送り込んでも、冷たい空気は下にたまるばかり。上に滞留した空気は熱いままになってしまいます。

建ててしばらくの間は、光熱費だけを見れば確かにお得になるのですが、10年もすれば給湯器やエアコンなどが次々に交換期に入ります。このとき買い換えやメンテナンスの費用が想定以上にかさむと、ZEHのコストメリットも大きく損なわれてしまいます。

 

大切なのは省エネ機器ではなく「家の断熱と気密性能

上で述べたような失敗を避けるためには、ZEHの3つの要素のうち、「家の断熱」はもとより、気密性能を最優先させることが何よりも重要です。2番目に高効率機器、そして最後にくるのが再生可能エネルギー機器(太陽光発電)とするべきです。

ところが多くのハウスメーカーでは、ZEHの優先順位が逆になっているのが現状です。

ZEHといえば、まず大容量の太陽光発電。そして給湯設備などの高効率機器。もっとも優先させるべき、家の気密性能については後回しになっているのです。

その理由は、気密性能(C値)に関して、国の基準の決まりが無いから、エアコンや給湯器を高効率なものにする方が、確実で簡単だから。いくら工場で正確に切り出した部材でも、組み立てるのは人の手、そして凸凹のある土のうえです。コンマミリ単位の正確性を保証するのは、大手ハウスメーカーにとってリスクが大きすぎるのです。

魅力的な数字やグラフが並んだZEHの資料。でも大事なのは機器の性能ではなく、家自体の性能です。本当にその容量の設備が必要なのか、オーバースペックではないのか・・・。美辞麗句のなかにメーカー側の都合が隠れていないか、よく注意して見てみましょう。

 

本当にエコで快適なZEHを建てよう

ひとことでZEHと言っても、その中身は一軒いっけん異なります。建てる側の都合を優先し、数字のマジックで作り上げたZEHなら、本当のエコとは程遠く、住む人の快適性も置き去りになってしまいます。

ZEHはどこで建てても同じではありません。満足できるエコ性能、住み心地を手に入れるなら、高断熱・高気密住宅を確実に手掛けられる業者を選ぶことが必須です。そこにこだわるかどうかで、住んでの快適性、経済性、家族の健康には大きな違いが出ることでしょう。

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